「この作業、AIでラクにできない?」実例ノート 第3回
1行で頼むと2分50秒で9枚。骨子を先に頼むと5分50秒で5枚。同じ材料で、Claudeに提案資料を2回作ってもらった結果です。9枚の資料は表紙から始まり、何をお願いする資料なのかがすぐには分かりませんでした。5枚の資料は、1枚目でお願いの中身が分かりました。
ClaudeのSlides(会話でスライドを作る機能)は、2026年10月8日から全プランで使えます(Claude公式の発表・英語ページ・2026年10月時点)。私はProプランで試しました。骨子を先に作ってもらい、自分で確認してからスライドにする。これが私の結論です。
頼み方はそのまま貼れる形で載せ、PowerPointに書き出した結果も確かめました。Claudeでスライド作成を試すときは、自分の資料を思い浮かべながら読んでみてください。
架空の部署の「Dify導入の提案」を、頼み方だけ変えて2回作った
作ったのは、社内でAIツールの「Dify」を試す許可をもらうための提案資料です。Difyは、AIのチャットボットを作れるツールです。上司に何かをお願いする資料なら、材料の形は近いと思います。
材料は6行のメモ|困りごと・ツール・費用・試し方・効果・心配な点
部署も数字も架空で、実在の社名や部署は入れていません。
Claudeには、次の材料メモを貼りました。
・今の困りごと:顧客からの問い合わせ対応、サービス内容の規定の調査に時間がかかっている
・入れたいAIツール:Dify
・費用:ツール代(月払い)・AIの利用料・導入支援の見込み
・試し方(期間・人数):3か月目の問い合わせ対応件数と工数、チャットボットの稼働件数
・期待する効果:工数削減
・心配な点と対策:顧客や社員がチャットボットを利用してくれるか。必要な情報を検索できるか
費用の行は、ここでは要旨にしています。実際のメモには、ツールの料金と導入支援の相場を数字で書きました。
1行で頼んだ回をA、骨子を先に頼んだ回をBと呼びます。Aはこのメモに「この内容で、AIツールの導入提案のスライドを作って。」の1文だけを付けました。
Bは資料の目的と読む人を1文ずつ書き、先にスライド5枚の骨子を頼みました。骨子は、各スライドで言いたいことを1文ずつ並べたものです。
| 項目 | A:1行で頼む | B:骨子を先に作る |
|---|---|---|
| スライドが出るまで | 2分50秒 | 5分50秒(質問への返答を含む) |
| 枚数 | 9枚 | 5枚 |
| 材料に無い数字 | 空欄[ ]で残った | 作る前に3つ質問してきた・空欄0 |
| 1枚目 | 表紙 | お願いの結論 |
| 人に見せるまでの直し | 直していない | 1回・1分ほど |
自分でPowerPointを使って作ると、1〜2時間はかかりそうだと感じています。どちらも1回ずつ、この資料1つで試した結果です。
入口は左のメニュー「Artifacts」の「+」→「スライド」|入力欄に「Output」は無かった
Claudeの左のメニューで、「Artifacts」の右にある「+」を押します。出てきた一覧から「スライド」を選ぶと、会話を横に並べた状態で空のスライドが作られます。

公式ヘルプには、入力欄の「Output」から選ぶと書かれています(Claude公式ヘルプ・英語ページ・2026年10月時点)。ただ、私の画面(Proプラン・2026年10月時点)に「Output」は無く、入力欄の「+」の中はファイルの追加やSkills、コネクタなどでした。
Proプランでは、設定でSlidesをONにする作業は要りませんでした。画面の表示が違うときは、画面のスクショをClaudeのチャットに貼り、「スライドを作る入口はどこ?」と聞くと良いです。
1行で頼むと2分50秒で9枚|何の資料かが分かりにくかった
Aの9枚は、表紙、現状の課題、提案、仕組み図、費用、試験導入、期待する効果、心配な点と対策、今後の進め方の順に並びました。各スライドには、話すときのメモも付けてくれています。

見た目は整っていて、3枚目にはDifyの使い方が2つ並んでいます。
材料に無い数字を、Claudeは作らずに[ ]の空欄で残しました。部署名、今の工数と件数、試す人数、効果の目標、各ステップの時期などです。費用の数字は材料メモのとおりで、新しい金額は作られていませんでした。
一方で、材料に無い内容をClaudeが足した所もあります。心配な点への対策6つと、今後の進め方の5ステップ、「ご判断いただきたいこと」です。この3つは、返答の中で「こちらで決めたこと」として知らせてくれました。3枚目の「よくある問い合わせに24時間自動で回答する」も、材料メモには書いていません。
9枚あって見た目も整っていれば、十分じゃないですか?
1枚目が表紙なので、何をお願いする資料なのかは最後まで読まないと分かりません。 私には、情報がただ順番に並んでいるだけで、スライドの枚数も多く感じました。人に見せる前には、[ ]の空欄を自分で埋める作業も残ります。
骨子を先に頼むと5分50秒で5枚|1枚目で結論が分かった
Bでは、スライドを作る前に、骨子と質問のやり取りが入りました。
骨子の段階で、Claudeが人数・今の数字・対策の方向を聞いてきた
Bでは、目的と読む人を次の2行で書きました。
- 目的:AIツールを3か月、少人数で試す許可と予算をもらう
- 読む人:AIを仕事で使ったことがない部長。忙しく、1枚目で判断したい
この2行と材料メモを貼って頼むと、Claudeはスライドを作らずに5枚の骨子を返してくれました。
- お願い:Difyを少人数で3か月試す許可と、約30万〜50万円の予算
- 今の困りごと:問い合わせのたびに、規定を探す時間がかかっている
- Difyで何が変わるか:規定を読み込ませたチャットボットで、必要な規定がすぐ見つかる
- 試し方と費用:3か月目の件数と工数を今と比べる。費用の内訳
- 心配な点と対策:使ってもらえるか、情報が見つかるか。効果が出なければ3か月で止める
Claudeは「1枚目だけで判断できるように、お願いの内容・金額・やめられる条件を最初に入れています」と書いていました。
骨子の後に、Claudeはスライドにする前に埋めたい所を3つ聞いてきました。
- 何人で試すか
- 月の問い合わせ件数と、1件あたりにかかる時間
- 心配な点への対策を、Claudeの案(社員向けから始める・規定資料を先に整理する)で進めて良いか
材料メモの「試し方」の行には、測る数字しか書いていませんでした。
私は架空の値で、次のように返しました。
- 人数:問い合わせ窓口の担当3人で、3か月試す
- 今の数字:問い合わせは月150件。1件平均20分で、そのうち10分は規定を調べる時間。合計で月50時間
- 対策:その方向で良い
続けて「スライドを作成して」と送りました。骨子を読んで質問に答えたこの1回で、私は資料の中身を確認しました。
1枚目に「3人で3か月・約30〜50万円・月25時間」が並んだ
できたスライドは5枚で、[ ]の空欄は1つもありませんでした。 流れは、お願い、今の数字、Difyで変わること、試し方と費用、心配な点と対策の順です。

上の画像は、次の節で直した後の1枚目です。

3枚目では、今と導入後の作業の流れを並べ、「規定を調べる月25時間を減らす」をねらいにしていました。
Bでも、Claudeが自分で決めて足した所があります。為替を1ドル150円で計算したこと、3か月の進め方、顧客に公開する前に担当3人が回答の正確さを確かめる一文です。3か月の進め方は、1か月目に準備、2か月目に担当3人が使う、3か月目に顧客にも公開する順番でした。Claudeは作成後の返答で、これらを「こちらで決めて入れたところ」として知らせてくれました。
1枚目を見たときは、「分かりやすい!」と思いました。5枚の中に、目的と導入後のBefore/Afterがはっきり書かれています。
直しは1回・1分ほど|表の見出しの色と1枚目の数字
PDFに書き出して見ると、4枚目の表の見出し行が、薄い灰色の背景に薄い文字でほとんど読めませんでした。
もう1つ、直す前の1枚目には「減らしたい負担 月50時間」と書かれていました。月50時間は問い合わせ対応の時間全体で、3枚目で減らすとしているのは、そのうち規定を調べる25時間です。1枚目だけを見ると、50時間が減ると読めてしまいます。
この2つを会話で1回頼むと、1分ほどで直りました。表の見出しは濃い紺の文字になり、1枚目は「月25時間」に変わっています。
予算の書き方は、直していません。1枚目は「約30〜50万円」、4枚目は「約29万〜49万円+AI利用料」のままです。人に見せる前に、数字の書き方がそろっているかを1回見ると良いです。
骨子を挟むと、そのぶん遅くなりませんか?
Aより3分長くかかりました。ただAには[ ]の空欄を埋める作業が残り、Bは1回直しただけで人に見せられる状態になりました。
頼み方は「目的と読む人を1文ずつ書き、骨子5枚を頼む」|そのまま使える文
1通目には、次の文を貼ります。()の中を自分の資料に合わせて書き換え、最後の行に材料を貼ってください。
資料の目的:(1文で書く)
読む人:(1文で書く)
この2つを踏まえて、スライド5枚の骨子にして。各枚の言いたいことを1文で。まだスライドにはしないで。
(ここに材料を貼る)
骨子が返ってきたら、読んで、Claudeの質問に答えてください。骨子に納得できたら、2通目で「この骨子でスライドにして」と送ります。私は「スライドを作成して」と送りました。
書くときは、次の点に気をつけてください。
- 目的は「何を決めてもらうか」で書く
- 読む人は「どこで判断したいか」まで書く
- 骨子が違うと思ったら、スライドにする前に会話で直す
読む人に「1枚目で判断したい」と書いたので、Claudeはお願いと金額を1枚目に集めてくれました。 骨子は5行なので、すぐに読めます。
会社の資料を貼る前に
私は架空の資料で試しました。実際の資料は、社内のルールと、Claudeに学習させない設定を確認してから貼ってください。設定はClaude Codeのセキュリティ設定(学習させない設定)で確かめられます。
作ったスライドは、最初は自分しか開けません。上司に見せるときは、画面の共有メニューから共有してください。
前回のAI議事録のプロンプトを比較の実例でも、用語集を先に渡すと名前の誤りが0になりました。今回は、用語集の代わりに目的と読む人を先に渡しました。
PowerPointに書き出しても文字は書き換えられた|Web版で確認
PowerPointで仕上げる方は、文字と表を書き換えられるかを見てください。PDFで配る方は、行が変わる位置を見てください。
pptxはWeb版のPowerPointで4項目とも問題なし
パワポにしたら、文字が画像になって直せないのでは?
私が書き出したpptxファイルでは、文字は画像ではなく、書き換えられる文字のまま出ていました。 4枚目の表もPowerPointの表のままで、話すときのメモ(スピーカーノート)は5枚すべてに付いていました。
ファイルは、PowerPointのWeb版(無料)で開きました。私のPCには、デスクトップ版のPowerPointが入っていないためです。確かめたのは次の4項目で、4つとも問題ありませんでした。
- 文字を1か所書き換えられるか
- 文字の位置と表が、Claudeの画面とずれていないか
- 単語の途中で行が変わっていないか
- フォント欄に「Noto Sans JP」と出るか
4枚目の見出し行が読めなかったのは、書き出しで崩れたからではありません。直す前と後のファイルの中身をClaudeに比べてもらうと、作った時点で文字の色が薄く指定されていました。
ただし、フォントはファイルに埋め込まれていませんでした。Noto Sans JPが入っていないPCで開くと、別のフォントに置き換わる可能性があります。この点は確かめていません。
PDFでは単語の途中の改行が見えた
PDFでは、1枚目の「調べ/る時間」のように、単語の途中で行が変わる所がありました。pptxに書き出してPowerPointで開いたときは、この改行は出ませんでした。
PDFで配るときは、書き出した後に1回、目で見て確かめてください。
デスクトップ版とGoogleスライドは試していない
今回は、次のことを試していません。
- デスクトップ版のPowerPointでの表示
- Googleスライドへの書き出し
- Freeプランでの利用
- Claude for PowerPoint(PowerPointに追加して使うアドイン)
Googleスライドへは、編集できるファイルとして渡せると公式に書かれています(前出のClaude公式ヘルプ)。Googleスライドで仕上げる方は、まず短い資料で1回試すと良いです。
よくある質問(FAQ)
Q1. Freeプランでも使えますか?
公式には、2026年10月8日から全プランで使えると書かれています(前出のClaude公式の発表)。私はProプランで試したので、Freeプランでの動きは確かめていません。2026年に増えたほかの機能は、2026年のClaudeは何ができる?公開済みの機能を14件まとめましたで紹介しています。
Q2. 「Claude for PowerPoint」と同じものですか?
別のものです。Claude for PowerPointは、PowerPointに追加して使うアドインで、公式の対象はPro・Max・Team・Enterpriseです。Freeプランは入っていません(Claude公式・英語ページ・2026年10月時点)。私はまだ試していません。英語ページなので、気になる方はWebブラウザで日本語に翻訳して確認してください。
Q3. 何回まで作れますか?
Slides専用の回数の上限は、公式ページに数字が見当たりませんでした(2026年10月時点)。今回の2回では、上限の表示は出ていません。画面や入口も変わりやすいので、この記事の内容は2026年10月時点のものとして読んでください。
まとめ
Claudeでスライド作成を頼むときは、骨子を作ってもらい、確認してからスライドにするのが良いです。 Aより3分長くかかりましたが、5枚で目的が伝わる資料になり、直しは1回で済みました。
次に資料を作るときは、目的と読む人を1文ずつ書き、この記事の頼み方を貼ってみてください。
自分で作ると1〜2時間かかりそうな資料の土台が、私の場合は5分50秒で手元に来ました。
次の実例は、Threadsで先に出しています(Satoshi_AITips)。

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